闇金ウシジマくんという漫画があります(残念ながら完結してしまったそうですが…)。
本当にありそうな話ばかりでフィクションのはずなのに、本当はノンフィクションなんじゃないかと思ってしまうくらいリアルな話ばかりです。

闇金というダークな世界をテーマにしているので、風俗店やキャバクラ、ホストクラブなどが度々登場します。

こんなシーンがあったのをおぼえています。
 

キャストの売掛金の回収を請け負ったホストが、売掛金を回収できずに逆に怖い人に追い詰められる

 
この場面から

キャストが外注であったこと

がわかります。

キャストが外注だと、未回収の売り上げもキャストが回収することになります。
お店が回収してしまうと『雇用』になります。
 
漫画のストーリーとは全く関係ないですが、こんな場面からこのキャストの働いている風俗営業のお店は「キャストは外注」であることがわかります。
面白いですよね。

雇用と外注の違い

そもそも雇用と外注では何が違うのでしょうか?

雇用-労働契約
外注-委託契約

雇用の場合は、一般の会社を思い浮かべてもらえばわかると思います。
会社で源泉所得税を計算してくれて、納税しています。確定申告まですべて会社がやってくれます。
また雇用主が社会保険料を半分支払います。

では外注の場合はどうでしょうか?

外注は業務を委託しているので、業務が完了した時点で「報酬」いう形で支払います。支払う側は外注費として計上します。

外部の人に仕事を頼むわけです。
時間や業務のやり方など。お店側が指揮・監督することはできません。
あくまでキャストの自由裁量で働くことになります。


キャストは個人事業主ですから、自分で確定申告をする必要がある、ということになります。
 

どっちがお店側にとって得なの?

一見、雇用でも外注でもどっちでもいいじゃんと思えます。
しかしよく考えてみると雇用の場合は、

お店は社会保険料を半分支払わなければならない
源泉所得税を差し引かなければならない


キャストの視点でみると

源泉所得税を差し引かれると手に入るお金が減る

という事実があります。

普通に考えると、雇用される側にとってはありがたいのは「雇用」です。
社会保険料も半分払ってくれるし、確定申告をする必要もありません。

ですが、風俗営業においては別です。
キャストがなぜキャバクラで働いているか?は短時間で高額のお金がほしいからです。キャストは納税はできればしたくないんですね。

日中、別の仕事をもっていたりすればなおのことです。会社にバレるのを恐れたりします。
また、手に入るお金が減るなら雇用より外注としてくれるお店で働きたい、と思っても不思議ではありません。
キャストが別のお店に移転してしまいます。

雇用と外注。お店にとってどちらが得か?
さまざまな要因があるので、絶対ではありませんが、

「外注」のほうがお得です。

大切なのは外注であることの証明

なら外注にすればいいじゃん!

と安易に考えてはダメです。
外注費で計上していたところに税務調査が入り「雇用です」となったとしましょう。
このときに降りかかってくる納税額は桁外れです。

例えばどんなことがあるかというと…

外注の場合は、支払った「報酬」に消費税が含まれている、と書きました。
しかし「雇用」には消費税は含まれていません。

外注から雇用とされてしまったとき、再度消費税を支払うことになります。二重に払っているように感じるかもしれませんが違います。

また、給与から差し引いであるはずの源泉所得税を納めることになります。
 

キャストは「外注」とできるのが、お店にとってベストでしょう。
しかし雇用と外注。この線引きはとても難しいです。
言い方を変えると、外注である、と証明することが難しいと言ったほうがいいかもしれません。

そんなわけで風俗営業ではキャストと契約書を交わすことが多々あります。

どんな契約書かというと、お店との雇用関係はなく、社会保険・労働保険の加入はありませんよ、といった内容です。

だたし、契約書を交わしたからといって「外注」となるわけではありません。
実態がともなっている必要があります。

あなたのお店のキャストは「雇用」か「外注」か。

風俗営業において、この違いはとてつもなく大きいです。
外注とするならば、用意周到、徹底して外注として対応する必要があります。

余談ですがヤクルトレディも個人事業主です。
業務委託です。

とてもうまいやり方なのではないかと思います。

備品(自転車とかバイクとか)がレンタルであったり。
個人事業主と業務委託する、というお手本みたいなスタイルです。

参考にしてみるといいかもしれません。
 

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